2022 年 78 巻 1 号 p. 33-50
著者らは,長きにわたり地下空間を成す地下駅構内の合成鋼管柱の支承板として多用されてきた鋳鋼製朝顔形支承板に代わる鋼製積層型支承板の開発と標準化を行っている.構造的には,支承板の設計板厚に対して径の異なる鋼製平板を積層することにより,朝顔形の断面形状と構造特性の再現を試みた.本論文では,東京メトロにおける標準規格タイプをプロトタイプとした実大載荷実験と三次元FEM解析によるシミュレーション解析により,現行設計計算式の検証を行い,鋼製積層型支承板の設計結果を各規格タイプの設計板厚を寸法表としてまとめた.また,設計支圧反力の計算に積層高さに応じた有効外径なる新たな支承板外径を導入することによる設計合理化の可能性について言及した.