2022 年 78 巻 1 号 p. 9-21
高速道路トンネルでは,通行車両の視環境の確保,視線誘導および照明効果の向上を目的として内装工が設置されている.従来,この内装工にはタイル直張り工法,パネル浮かし張り工法および塗装が適用されてきた.これまで設置されている内装工をみると,タイルのはく離,パネルの破損,固定金具の腐食および塗膜のはがれ等の変状がみられる.そこで,筆者らはタイルやパネル等を主材とする内装工に代替するものとして粘着シートを用いた内装シート工の適用を考えた.本稿は粘着シートの適用にあたり,重要な基本性能の一つである覆工コンクリートとの付着性を引きはがし粘着力としてとらえ,その基本性能を確認するための試験法と現場適用性について検討したものである.