2012 年 12 巻 p. 1-12
在宅で乳幼児を育てている養育者への支援方法として心理教育プログラムに着目し,その研究の現状と課題を明らかにするために文献調査を行った。
調査方法は, CiNiiを使用した。分析対象は,①CiNiiによって採用した論文と,②CiNiで採用した論文の引用文献と,③CiNiiによらない別の出版物から取捨選択した25論文である。その結果, 6つの視座を得た。すなわち,①1次的子育て支援心理教育と2次的子育て支援心理教育及び3次的子育て支援心理教育に分類できること,②心理教育プログラムと実生活との連動の重要性,③子育てにまつわる価値の多様性と主体性の尊重,④参加者同士の学ひ合い,⑤子育て支援施設における心理教育プログラムの科学的根拠の追及,⑥子育てにおける夫婦関係の重要性,である。
以上より,地域子育て支援では心理教育的アプローチが有効であり,今後は6つの視座を活かした心理教育プログラムの開発が求められる。