日本小児看護学会誌
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先天性チアノーゼ性心疾患をもつ乳幼児の退院後1ヶ月間の母親の不安と療養行動の変化
半田 浩美二宮 啓子平井 重世鳥居 いずみ
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2002 年 11 巻 2 号 p. 13-20

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抄録
本研究は先天性チアノーゼ性心疾患をもつ乳幼児の退院後1ヶ月間の母親の不安と療養行動を時間的経過に沿って明らかにすることを目的に行った。先天性チアノーゼ性心疾患をもつ乳幼児の母親11例を対象に、質問紙法と面接法を用いて、退院前、退院1週間後、退院2週間後、退院4週間後の4時点で調査を行った。不安得点(STAI)に関してはt検定を行い、面接内容は質的に分析した。その結果、母親の不安得点は、退院前が最も高く、退院1週間後に減少傾向が見られたが、有意差は見られなかった。また、家庭療養の経験がない母親は経験がある母親に比べ、不安の得点が全体的に高い傾向があり、退院1週間後の不安得点には有意差が見られた。退院後1週目は、児が泣いたときの対応や内服に工夫が多くみられ、母親なりに児の育児や疾患の管理において試行錯誤していた。退院2週間後には、2/3の母親が児の生活のパターンをつかみ、家での生活に慣れてきたと感じていた。
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© 2002 一般社団法人 日本小児看護学会
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