日本小児看護学会誌
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最新号
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研究
  • 草野 淳子, 高野 政子, 田ノ上 辰吾
    2020 年 29 巻 p. 1-8
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、A県の訪問看護師が小児の訪問看護の経験の有無や経験年数により、不足していると認識している小児の訪問看護の知識・技術の内容を明らかにすることである。対象者はA県内の訪問看護ステーションに勤務する看護師とした。調査は、無記名の自記式質問紙を用い、知識・技術が不足していると認識している程度を問う項目は、5段階のリッカート法で回答を求めた。有効回答は190部であった。小児の訪問看護は、経験がない看護師が131名 (68.9%)、経験年数3年未満が33名 (17.4%)、3年以上が26名 (13.7%) であった。小児の訪問看護の経験がない看護師は、経験年数3年以上群と比較して、母子のアセスメント、治療や社会資源などの情報提供や指導に関しての知識・技術が不足していると認識していた。小児の訪問看護の経験がない訪問看護師は、母子のアセスメントや社会資源の相談技術の習得の必要性が示唆された。

  • 林 奈津子, 楢木野 裕美
    2020 年 29 巻 p. 9-16
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    目的 : 本研究は、子どものセルフケアの獲得に向けた喘息をもつ幼児の親へのケアを明らかにすることを目的とした。

    方法 : 研究方法は半構造化面接を小児アレルギーエデュケーター看護師10名に実施、質的記述的研究デザインで分析した。

    結果 : 【親が喘息管理に必要な知識を獲得できるように説明する】【親が幼児に対するセルフケアを担う必要性がわかるようにケアする】【親のQOLを意識してケアする】【幼児の発達を見極め、幼児にかかわる方法を親に説明する】【幼児がセルフケアに取り組めるかかわり方について親に伝える】【看護師が幼児に指導する姿を通して、親に実践方法を示す】【親が幼児に指導する姿を通して、看護師は親の力を見極める】【親子なりのやり方を獲得できるように親子へケアする】を抽出した。

    考察 : 看護師、親、幼児のかかわり合いでの親へのケアが必要であり、親が幼児へかかわる力が向上することで、幼児のセルフケアの獲得につながると考える。

実践報告
  • —こうのとりのゆりかごを題材にして—
    川名 るり, 江本 リナ
    2020 年 29 巻 p. 17-25
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     本論文の目的は高校生へ向けていのちの授業を実施し、授業デザインと生徒の学びを考察することであった。A高等学校の選択科目の一コマで実施した。参加生徒は28名。こうのとりのゆりかごを題材にし、アクティブラーニングを用いて展開した。授業におけるファシリテーションの実際を提示し、発問を通した著者らと生徒との相互作用について振り返った。その結果、今回の授業展開はアクティブラーニングに期待される生徒の能動的学習を具現化する効果があると推察された。また、生徒はこうのとりのゆりかごに預けられる子ども、預ける親、その社会的背景について多面的に考え、設置について賛否両論があることや自分とは違う考えがある多様さを取り入れ思考していることから、授業は自らの考えを広げ深める学びをもたらす効果があると推察された。そして、このような学びは対話的な学びが促進された成果ではないかと考察された。

  • 仁宮 真紀
    2020 年 29 巻 p. 26-33
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     思春期の脳性麻痺の子どもは、成長によって身体変形などの二次障害を併発して身体機能は低下していくため、看護師は介助のタイミングを見極めることに難しさを感じていた。そこで、Leiningerの民族看護学を用いて、医療型障害児入所施設の長期生活病棟で生活している思春期の脳性麻痺の子どもの日常生活動作において、看護師がどのようにかかわっているのかを明らかにした。その結果、四つのテーマと一つの大テーマが抽出された。看護師は子どもが今までの成長過程において獲得してきた動作を少しでも長く維持し、子どもの自尊心を守るために、その子どもが 「本当はできる動作」 であっても、タイミングを見極めて介助を行っていた。また、子どもが沈黙した時には 「言葉で伝えるための時間」 を作っていた。これは、麻痺の身体で思うように動くことができない世界で生きている思春期の脳性麻痺の子どもに対する看護の独自性であると考えられた。

資料
  • —『子どもが病気を理解する』『子どもが前向きに考え行動する』ために親としてできることに焦点を当てて—
    仁尾 かおり, 藤澤 盛樹, 原口 昌宏
    2020 年 29 巻 p. 34-41
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     子どもが病気を理解し、前向きに考え行動するために親としてできることに関する先天性心疾患児の親の認識の構造を明らかにすることを目的とした。患者会所属の親72名を対象とした。先天性心疾患患者のレジリエンス要素『子どもが病気を理解する』、『子どもが前向きに考え行動する』の強化に向けた親対象のプログラム実施時の参加者の発言に基づいて調査用紙を作成した。因子分析の結果、『子どもが病気を理解する』は [親は子どもの主体的な療養行動を支える] [親は子どもに病気のことを説明する] [親は子どもの理解や行動の不足部分を補う]、『子どもが前向きに考え行動する』は [親は肯定的な姿勢で子どもとかかわる] [親は子どもの自立を意識して行動する] [親は子どもの主体性を尊重する] の各3因子より構成されていた。親は子どもが病気を肯定的にとらえるように病気について説明し、自立を見据える必要性を認識していることが明らかになった。

  • —小児看護学実習での教育上の課題—
    辻野 睦子, 友田 尋子
    2020 年 29 巻 p. 42-50
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、小児外来で実習した学生の学びに関する文献検討から、小児看護学実習での教育上の課題を明らかにすることを目的とした。過去10年の論文から 「小児看護」、 「実習」、 「外来」 をキーワード検索し、16件の分析対象から研究課題に関する記述を抜粋してコード化カテゴリ化した結果、学生の学びでは、小児看護学実習の核となるものに加え、家族や地域に着目したカテゴリが抽出された。教育上の課題では、【看護実践の意図を伝えたり学生の気付きにくい現象に補足を加える】、【教員や指導者が小児外来の位置づけや実習目標を共通理解し、実習環境の調整を図る】、【小児外来の特徴的な役割や看護の理解には教育方法の検討を要する】、【実習に向かう事前準備として学生のもつ知識や意欲の向上を図る】が抽出され、これらが共存して充足されることで、小児外来は小児看護学実習フィールドの中核になり得ることが示唆された。

  • 足立 綾, 高野 政子, 草野 淳子
    2020 年 29 巻 p. 51-58
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、慢性疾患がある子ども (以下、患児とする) の予防接種に携わる外来看護師の支援の実態と課題を明らかにすることを目的とし、無記名自記式質問紙調査を実施した。対象者は、患児を対象とした外来診療を行っている施設の小児外来看護師1,650名とした。417部の回収が得られ415部を分析した。患児に対する予防接種の管理や説明者は、医師が多かったものの医師とともに行う外来看護師が3割強であり、医師と協働している現状が明らかとなった。外来看護師は、患児の体調変化の観察や保護者の質問への対応などの支援、患児の治療計画に合わせたスケジュールの調整を実施していた。また、患児の予防接種に対する外来看護師の支援は、予防接種へのかかわりの頻度に影響を受けていた。今後、外来看護師は、慢性疾患の管理とともに、保護者や患児自身に予防接種の理解を促すかかわりが必要であると考える。

  • 羅 云潔, 佐藤 洋子
    2020 年 29 巻 p. 59-64
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     在日外国人数は2018年6月末に日本総人口の2%を占め、過去最高であった。一方、2008年以後日本における外国人の出生数は減少している。在日外国人は日本の文化に適応しながら育児をしていることから育児ストレスを感じやすいと考える。そこで、本研究は、在日外国人への育児に関する研究の動向を明らかにし、在日外国人への育児にかかわる看護研究の課題を検討することを目的とした。医学中央雑誌を用いて 「在日外国人」 、 「外国人」 に 「育児」 、 「子育て」 をキーワードにそれぞれを組み合わせて検索し、抽出した日本の原著論文33件について分析を行った。在日外国人は異文化の日本で生活することから生じる育児ストレスと一般的な育児ストレスが生じ、家族側と施設側から支援されていた。在日外国人の文化背景を考慮して育児ストレス、在日外国人に求められる支援および実際に提供できる支援を検討することが必要と示唆された。

  • —デルファイ法を用いて—
    水野 芳子, 宗村 弥生, 小川 純子, 栗田 直央子, 笹川 みちる, 村山 有利子, 横山 奈緒実, 長谷川 弘子, 日沼 千尋
    2020 年 29 巻 p. 65-73
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     高度医療において求められる小児循環器看護の臨床実践について、その教育内容と方法を検討するために、小児循環器看護の重要な看護実践を明らかにすることを目的に、デルファイ法により調査を行った。方法は、小児看護専門看護師のプロセスレコードを基に作成した44項目の質問紙を使用し、小児循環器看護経験5年以上の看護師22名に対し<小児看護><小児循環器看護>それぞれ重要度を10段階で質問する調査を3回行った。第1回に自由記載欄を設けその結果により、子どもの状態を適切にアセスメントするための項目、子どもの状態を安定させるためのかかわりを中心に具体的な特徴ある56項目が追加された。また、小児循環器看護として同意が得られない項目はなかった。<小児看護>と<小児循環器看護>の重要度は41項目に有意差があった。これらの項目は小児循環器看護の特徴を表していると考えた。

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