2004 年 13 巻 2 号 p. 15-20
事例は、初診時13歳の男児。諸検査の結果、異常がみられなかったため、医師より小児看護外来に紹介された。面接初回と途中で、既存の心理尺度を用いて事例の心理状態を測定し、看護介入の有効性を検討した。1999年12月より、看護者が事例と約50分間、母親と約15分間の面接を1から2週に1回、3年6か月間(2003年8月まで)継続して、計65回看護介入を行なった。2002年4月高校へ入学したが、環境変化の大きい時期であることと本人の意志を尊重し、現在は1か月から2か月に1回の面接を継続中である。両親からの精神的束縛や規制から事例を解放し、否定したり、怒ったりせずに事例の言動や行動をありのまま受け入れて支持的にかかわり、両親に対しても看護介入を実施したところ、事例の環境の改善や事例自身の年齢相応の自己感覚の修復と発達を促し、高校入学と登校を可能にした。今後は、自立に向けた看護介入について検討し、実施していくことが課題と考えられる。