日本小児看護学会誌
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病棟看護師が捉える幼児期に小児白血病を発症した子どもの母親が抱く退院後の不安
川勝 和子楢木野 裕美
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2012 年 21 巻 1 号 p. 32-39

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抄録
幼児期に小児白血病を発症した子どもの母親が退院後に抱くと思われる不安を病棟看護師がいかに認識しているかを明らかにすることを目的とし、看護師14名を対象に半構成面接を実施し、質的記述的研究方法を用いて分析した。退院後の不安は病気の子どもや母親自身に向けられた不安、得体の知れない不安の3つの視点であった。看護師は母親が【病気の子どもの健康管理を担うことの不安】、【長期にわたる外来治療の完遂への不安】、【集団生活の適応への不安】と目の前の不安を把握するとともに、【将来の子どもの姿を思い描くことの不安】を抱くと捉えていた。さらに母親は、病気の子どもの世話をしながら自分自身の人生を送ることも考え、【母親自身の生活の再構築への不安】を抱いていた。看護師は入院中から母親に必要な子どものケアの指導を行っているが、母親は退院後の生活をイメージすることが難しく【得体の知れない不安】を抱いていると捉えていた。
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© 2012 一般社団法人 日本小児看護学会
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