日本小児看護学会誌
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学童期・思春期の尋常性座瘡(にきび)のスキンケアに関する研究 : シュガースクラブの洗浄効果の検証
島谷 智彦山口 求光盛 友美今村 美幸
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2012 年 21 巻 1 号 p. 63-68

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抄録

先に著者らは、甜菜糖を植物油でコーティングしたシュガースクラブには、乳幼児で保湿効果と皮脂量の増加によるバリア機能効果を有することを検証し、乳幼児のスキンケアに有効であることを明らかにした。今回は、尋常性座瘡(にきび)の多い学童期・思春期(11歳〜29歳の35名)を対象に、シュガースクラブによるスキンケア前とケア30分後の水分値、弾力値、皮脂量を初回と1ヶ月間の継続使用後に測定し、皮膚の状態を観察した。にきびが多い対象者の皮脂量は多かった。頬部や額部の皮脂量が多い群では、スキンケア後に皮脂量は有意に低下した。また、1ヶ月には自覚的・他覚的ににきびの改善が見られた者もおり、これらは皮膚の環境が改善した結果と考えられた。以上より、シュガースクラブによるスキンケアは、にきびのできやすい皮脂量の多い学童期・思春期にも有効であることが示唆された。

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© 2012 一般社団法人 日本小児看護学会
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