日本臨床免疫学会会誌
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症例報告
胃mucosal bridgeを形成したBehçet病の1例
野島 正寛阿部 敬五十嵐 伸一本間 栄志沖 真理子及川 央人松本 晋一郎西村 進松永 隆裕矢和田 敦木村 裕一高橋 裕樹今井 浩三
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2004 年 27 巻 3 号 p. 177-180

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抄録

症例は69歳男性. 1991年心窩部痛, タール便を主訴に当科受診. まもなく反復性のアフタ性口内炎や結節性紅斑, 関節痛などが出現したためベーチェット病 (不完全型) と診断, ステロイド, NASIDの投与を受けていた. 翌1992年, 1月ころより胃前庭部の難治性潰瘍が出現, 4月には腸管穿孔を来たすなどし, 消化器症状が顕著なものとなった. その後胃病変は増悪, 軽快を繰り返し, 1994年に胃mucosal bridgeを形成. 潰瘍の悪化とH. pylori陽性を確認したため除菌療法を施行, 潰瘍は治癒した. 抗潰瘍薬の投与を継続し, 長期間に渡り経過観察を行っているが, 胃mucosal bridgeは現在まで残存している. これまでベーチェット病に発生した胃mucosal bridgeの報告はなく, まれと考えられた.

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© 2004 日本臨床免疫学会
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