日本臨床免疫学会会誌
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総説
サルモネラ感染症に対する初期感染防御機構
水野 由美
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2004 年 27 巻 6 号 p. 367-372

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抄録
  サルモネラは細胞内寄生性のグラム陰性桿菌であり,その感染防御には上皮細胞,好中球,マクロファージ,樹上細胞などが関与する抗原非特異的な自然免疫と抗原特異的T細胞,B細胞が関与する抗原特異的な獲得免疫に大きくわけられ,その間にNK細胞,NKT細胞,γδ T細胞などが関与する早期誘導反応がある.サルモネラに感染し増殖したマクロファージ,樹状細胞は多くのサイトカインを産生する.そのサイトカインの中でもIL-12, IL-15, IL-18はNK細胞,NKT細胞,γδ T細胞の誘導,IFN-γによる早期の病原体の排除に重要であり,IL-12およびIL-18は樹状細胞による抗原提示に反応したTh1細胞をはじめとする獲得免疫の誘導に重要な役割を果たす.
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© 2004 日本臨床免疫学会
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