抄録
症例は73歳,女性.1999年にアレルギー性鼻炎,気管支喘息が発症し,2002年4月には好酸球増多,発熱,多発性単神経炎が出現した.6月に急性心筋梗塞,7月に右腓骨神経麻痺発症し,神経生検の結果をふまえChurg-Strauss症候群(以下CSS)と診断した.メチルプレドニゾロンパルス療法,後療法としてプレドニゾロンの大量投与を開始し,好酸球は正常化し,上記症状は改善したが,経過中に上腸間膜動脈閉塞症を併発した.同症も保存的治療にて病状は改善するも,頚動脈カテーテル検査で両側の頚動脈の高度な狭窄を認めたため,シクロフォスファミドパルス療法を計6回施行し,アザチオプリンを追加投与した.その後血管合併症は見られていない.一般にCSSでは,主として小動脈,細動脈,毛細血管,細静脈が障害されるが,本症例のように大,中動脈領域に血管病変を来すことは稀である.高齢発症のCSS症例では,加齢による動脈硬化も伴い,従来より中枢側に病変が現れることが示唆され,興味深い症例と考え報告する.