日本臨床免疫学会会誌
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症例報告
EBV肝炎との鑑別に肝生検が有効であった自己免疫性肝炎の1例
中島 章子梅林 宏明黒澤 るみ子今川 智之片倉 茂樹森 雅亮相原 雄幸横田 俊平十河 剛乾 あやの藤澤 知雄半澤 典生
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2005 年 28 巻 3 号 p. 154-158

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抄録
  症例は10歳の女児で,2ヶ月続く黄疸と肝機能障害のため当科に紹介受診となった.初診時に末梢血リンパ球中のEBV-DNA陽性でEBV肝炎との鑑別が困難であったが,肝組織所見にて1) 門脈域のリンパ球,形質細胞主体の細胞浸潤と線維化 2) 門脈域周囲のロゼット形成 3) interface hepatitis像 4) EBER in situ hybridization陰性を認めたことから自己免疫性肝炎(AIH)と診断した.初期治療としてメチルプレドニゾロン(mPSL)パルス療法(30 mg/kg/日,3日間)を行い,維持療法としてプレドニゾロン(PSL) 15 mg/日とアザチオプリン(AZA) 25 mg/日の併用内服を行なった.また著しい単核球の組織浸潤に対してはシクロフォスファミドパルス(IVCY)療法を選択した.治療開始後約1ヶ月で,総ビリルビン値(T-Bil)および肝機能は正常化し,末梢血リンパ球中のEBV-DNAは4ヶ月後に陰性化した.初診時,末梢血リンパ球中のEBV-DNA陽性でEBV肝炎との鑑別が困難であった症例において,積極的な肝生検がAIHの診断に有用であった.
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© 2005 日本臨床免疫学会
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