抄録
成人発症Still病と反応性マクロファージ活性化症候群は症状や検査所見に類似性があるばかりか,成人発症Still病それ自体が反応性マクロファージ活性化症候群を惹起することがあり,その鑑別診断はしばしば困難である.成人発症Still病の治療による免疫不全状態が潜在ウィルスを再活性化させ,反応性マクロファージ活性化症候群を生じさせることもある.また,成人発症Still病の治療薬が反応性マクロファージ活性化症候群を生じることもある.故に,その病態の理解は複雑であり,その治療も原因によって慎重な検討が必要である.