抄録
研究開発ポートフォリオ・マネージメント方式(RDPM)を検証し、さらにそれを活用してより実態に即した研究開発マネージメントの方法論を見出すために、研究開発マネージメントに関するモデルおよび仮設を作成し、わが国一部上場の製造企業392社に対して関連する質問によるアンケート調査を行った。調査結果は約1/3に相当する126社から回答が得られ、各社の成功事例263の研究開発マネージメント過程に関する実態調査を行うことができた。これをSAS統計解析ソフトウェアにより、因子分析および共分散構造分析を行った。解析結果は、最終的に研究開発モデルをPLSモデルで表現でき、想定した仮設をほぼ全面的に検証することができた。特に研究の戦略性での評価がパフォーマンスとしての売上高と高い相関を示し、RDPM方式によるマネージメント方法論が有効であることが検証された。