日本臨床免疫学会会誌
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症例報告
敗血症を合併した全身型若年性特発性関節炎の一例—マクロファージ活性化症候群との鑑別に対するサイトカインプロファイルの有用性—
横山 忠史清水 正樹池野 郁橋田 暢子藤田 修平市村 昇悦畑崎 喜芳新谷 尚久谷内江 昭宏
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2011 年 34 巻 2 号 p. 105-111

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抄録

  全身型若年性特発性関節炎(systemic-onset juvenile idiopathic arthritis : s-JIA)の治療中に,突然の高熱を来たし,急速に白血球数や血小板数の減少が進行し凝固異常などを呈する場合,マクロファージ活性化症候群(macrophage activation syndrome : MAS)への移行を考慮する必要がある.一方,敗血症においても同様の臨床像を呈することがあり,治療方針を決定する上で両者の鑑別は非常に重要となる.今回我々はs-JIAの治療中に敗血症を合併しMASとの鑑別を要した1歳5ヶ月女児例を経験した.本症例では,全経過を通してInterleukin (IL)-18が著明な高値を呈し,敗血症合併時にはプロカルシトニンが強陽性となり,IL-6が他のMAS合併症例と比較し著明な高値を呈していた.本症例の経験からサイトカインプロファイルによるモニタリングは,s-JIA症例の病態や経過の把握やMASと敗血症の鑑別に非常に有用であると思われた.

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© 2011 日本臨床免疫学会
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