日本臨床免疫学会会誌
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Print ISSN : 0911-4300
総説
ランゲルハンス細胞とHIV
川村 龍吉
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2011 年 34 巻 2 号 p. 70-75

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抄録

  世界における新規ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の約8割は異性間の性的接触による.粘膜・皮膚表皮内ランゲルハンス細胞(LC)は,HIV感染初期においてHIVに対する初期免疫応答の誘導に重要な役割を担っている.さらに,LCに発現されるLangerinに捕獲されたHIVは不活化を受けることが最近明らかとなり,LCはHIVの侵入を防ぐバリアーとしても機能する.一方,Langerinによる不活化を免れたHIVは,CD4/CCR5を介してLCに感染し,これを足がかりとして生体内に侵入する(LCのPrimary gate keeper model).このように,LCはHIV感染初期に宿主にとって功罪様々な役割を担う.近年,世界的なHIVの流行を阻止するために,コンドーム以外の方法で性行為HIV感染を予防する外用マイクロビサイドの開発が試みられている.また,HIV以外の性感染症(STD)保有者のHIV感染リスクが数倍~数十倍高くなることから,STD治療も予防戦略の主軸となっている.最近,これらのHIV感染予防戦略がLCを介したHIVの生体内侵入に密接に関与していることが明らかとなりつつある.

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© 2011 日本臨床免疫学会
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