日本臨床免疫学会会誌
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総説
解糖系酵素に対する自己免疫応答と関節リウマチ
松本 功岩波 慶一田中 陽子井上 明日香田中 勇希梅田 直人住田 孝之
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2011 年 34 巻 6 号 p. 456-463

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抄録

  関節リウマチ(rheumatoid arthritis : RA)においては,TNFαやIL-6及びT細胞共刺激分子をターゲットにした生物学的製剤の有効性が証明され,これら分子の重要性が再認識されている.また欧米においては,B細胞表面抗原に対する抗体である抗CD20抗体がRAにも第二選択の生物学的製剤として使用され,強い有効性が実証されている.RA診断においては,リウマトイド因子(rheumatoid factor : RF)や抗シトルリン化蛋白抗体(anti-citrullinated protein antibody : ACPA)が特異性の高い抗体として重要であるが,病因性への関与に関しては不定の部分が多く,ACPAに関してはターゲットであるシトルリン化抗原も諸説存在する.本論では,モデルマウスでの自己抗原として2つのモデルで実証されている解糖系酵素glucose-6-phosphate isomerase(GPI)に主に焦点をあて,ヒトRAでの病因的意義について論ずる.

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© 2011 日本臨床免疫学会
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