日本臨床免疫学会会誌
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W2-4  膠原病・アレルギー疾患による難治性創傷に対する再生医療を応用した先進併用療法—Limb Salvage のための新しい治療戦略—
宮本 正章高木 元桐木 園子久保田 芳明水野 博司百束 比古田畑 泰彦
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2012 年 35 巻 4 号 p. 303b

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抄録

  再生医療としては初めて2003年6月に高度先進医療(現在は先進医療)に認可された「バージャー病,ASOによる治療抵抗性CLIに対する自己骨髄細胞移植による血管再生療法」を当院でも2002年4月より取り組み,全国3施設目として先進医療承認された(現在全国18施設の認定).当科ではプライマリーエンドポイントを自立歩行による退院としており,厚労省難治性疾患克服研究事業により適応を膠原病・アレルギー疾患(難病認定のPSS,アレルギー性肉芽腫性血管炎等)による治療抵抗性CLIにも適応拡大し,合計60例の分析では達成率88.3%(53例),平均追跡期間7.7年の経過における救肢率は77.7%,生存率は84.4%であった(9/60例下肢切断,8/60例死亡).疾患別では,ASOの予後は65.5%,ASO以外は96%であった.さらに私共は2008年内閣府先端医療開発特区(スーパー特区)採択課題での分担研究として,筋肉内注射のみで血管再生を可能とする「DDS徐放化b-FGFハイドロゲルによる血管再生療法」も現在まで15例実施し,10例での安全性・有効性を報告している(Tissue Eng 2011).特に全身性強皮症(SSc)による難治性潰瘍・壊疽症例に対する自己骨髄細胞移植による血管再生療法は,安全で有効であり,同治療法を実施した11例についての成績を報告する.

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© 2012 日本臨床免疫学会
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