日本臨床免疫学会会誌
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Workshop
W3-3  骨免疫と関節リウマチ
八子 徹南家 由紀小竹 茂
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2012 年 35 巻 4 号 p. 305a

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抄録

  我々は以前から,関節リウマチ(RA)と破骨細胞(Oc)の関わりについて種々の報告を行ってきた.RA滑膜にはreceptor-activator of NF-κB ligand(RANKL)を発現しているT細胞が存在し,Oc分化を直接促進する(Kotake S. 2001).さらにRANKLとIFN-γを発現しているT細胞はヒトOc分化を促進し(Kotake S. 2005),RA患者関節液中でIL-17濃度が他の関節炎に比し有意に高値であることを報告した(Kotake S. 1999).またIL-17は滑膜細胞がなくとも,ヒト単球単独の培養系から直接Oc形成および活性化を促進することを見出した(Yago T. 2009).そしてIL-17の上流に位置するIL-23も同様にヒトOc形成を促進し,抗IL-23抗体投与が関節炎モデルマウスの炎症および骨破壊を抑制することを報告した(Yago T. 2007).最近では抗リウマチ薬のtacrolimusが,ヒトTh17におけるIL-17およびTNFα発現を抑制すると報告した(Yago T. 2012).併せてT-cell leukemia translocation-associated gene(TCTA)蛋白がOc分化の過程で重要な分子であることや(Kotake S. 2009),単球上のRANK発現とOc形成効果に相関傾向があること(Nanke Y. 2009)も報告しており,これらをRAと骨免疫の視点から述べる.

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© 2012 日本臨床免疫学会
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