日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P1-006  尋常性乾癬における血清microRNA濃度の有用性の検討
神人 正寿市原 麻子福島 聡尹 浩信
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2012 年 35 巻 4 号 p. 329b

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抄録
  尋常性乾癬において臨床的に有用な血清マーカーはいまだ見いだされていない.我々はmicroRNAに着目しその血清中濃度が疾患・治療マーカーとして応用出来る可能性を検討した.
  まず皮膚組織から抽出したmicroRNAを用いたPCRアレイの結果,miR-424が尋常性乾癬で著明に低下していた.培養表皮細胞にmiR-424 inhibitorを強発現するとターゲットであるMEK1やcyclin E1の蛋白発現が増加するとともに細胞数も増加した.
  以上の結果をもとに乾癬患者において血清中のmicroRNA濃度を測定した.患者の血清中では正常人と比較しmiR-424濃度の低下傾向がみられたが有意ではなかった.しかし血清miR-424減少例では発症から受診までの期間が短く,自覚症状が強い傾向があると考えられた.
  加えて,我々はIL-17Aを制御する可能性があるmiR-1266の血清濃度についても測定した.予想に反してmiR-1266は乾癬患者血清で増加し,皮疹の体表面積と弱い負の相関を示した.
  本研究により,乾癬患者において血清microRNA濃度が病勢マーカーとなる可能性が示唆された.
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© 2012 日本臨床免疫学会
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