抄録
症例1は36歳,女性.平成20年10月,シェーグレン症候群(SjS)と診断され通院中であった.平成21年8月,下腿浮腫と胸水貯留が出現し,血清アルブミン(Alb)0.8 g/dlと低下を認めた.99 mTc-HSAシンチグラフィーで結腸内にRI分布を認め,便中α1アンチトリプシンクリアランス236 ml/日と上昇が認められ,PLGEと診断した.症例2は65歳,女性.平成19年,人間ドッグで血清Alb 2.8 g/dlと低下を指摘されていた.平成23年10月より下腿浮腫が増悪し,血清Alb 1.0 g/dlと低下を認めた.99 mTc-HSAシンチグラフィーで空腸内にRI分布が認められ,便中α1アンチトリプシンクリアランス232 ml/日と上昇を認めた.ダブルバルーン小腸内視鏡で肉眼的に異常は認めず,空腸ランダム生検で間質浮腫,毛細管拡張,リンパ管拡張が認められた.抗SS-A/Ro抗体陽性,シルマーテスト陽性,口唇生検からSjSに合併したPLGEと診断した.症例3は,58歳男性.平成23年9月,健診で血清Alb 3.5 g/dlと低下を指摘された.その後,低アルブミン血症が増悪し,下腿浮腫や腹水貯留が認められた.抗SS-A/Ro抗体および抗SS-B/La抗体陽性,シルマーテスト陽性,99 mTc-HSAシンチグラフィーで小腸と結腸内へRI分布が認められ,SjSに合併したPLGEと診断した.PLGEは消化管より血清蛋白が漏出し低蛋白血症が生じる症候群で,様々な疾患が原因となる.SjSに合併したPLGEの症例報告は稀であるが,今回我々は3例を経験し文献的考察を含め報告する.