抄録
(目的)自己免疫性血小板減少症AIPはSLEの合併症状としてしばしば併発し,重症例では深部出血のリスクを伴うため速やかに改善を図る必要がある.血漿交換療法はSLEや他の自己免疫性疾患の治療に用いられるが,AIPに対する臨床効果については,これまでは奏効症例の報告が中心であり,治療効果については未確定な部分が大きい.今回我々はSLEに合併したAIPに対する血漿交換療法の治療効果について検討した.
(方法)過去10年間に当院で加療されたSLE患者でAIPに因ると考えられる血小板減少症(≧10万/μL)を合併したSLEに対し,ステロイド療法と血漿交換療法にて加療された19例を対象に後ろ向きに検討した.
全例で血小板表面IgG(PA-IgG)陽性で,経過中に抗リン脂質抗体症候群や血栓性血小板減少症の診断基準を満たした症例や,経過から薬剤性血小板減少症が疑われた症例等は除外された.導入時及び導入後1~2ヶ月の時点での血小板数等の検査所見や,ステロイド投与量などを評価した.
(結果)9例で減少症の改善が認められステロイドの維持・減量が可能であった[有効群].10例でステロイドの増量や大量γグロブリン療法等の追加治療を必要とした[無効群].導入時血小板数・PA-IgG値や年齢など,両群間に有意差は認めなかったが,有効群では有意に抗リン脂質抗体が陽性であった(7/9 vs 1/10 p<0.05).特に抗リン脂質抗体陽性の自己免疫性血小板減少症に対する血漿交換療法の有用性が示唆された.