日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P2-059  マラリアとデング熱におけるマスト細胞由来VEGF
渡邊 直熙古田 隆久平山 謙二
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2012 年 35 巻 4 号 p. 356a

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抄録
  マラリアとデング熱は血管内病原体による熱帯病である.我々はこれらの疾患とVEGFの関係を検討した.国内で三日熱マラリアまたは熱帯熱マラリアと診断された患者血清中のVEGFおよびsVEGFR-2の値は健常人に比べ有意な上昇をみた.ヒトマスト細胞株をマラリア原虫抗原で刺激するとVEGFの放出がみられた.同様の結果はネズミマラリアの実験でもみられ,マスト細胞由来VEGFによる感染防御が示唆された.デングウイルスによる疾患はその重症度からデング熱(DF),デング出血熱(DHF),そしてデングショック症候群(DSS)に分類される.とりわけ後二者には血管透過性亢進という共通点がある.ベトナムの感染児の血清中VEGF値はDHFで有意に増加し,DSSでさらに増加をみた.マスト細胞特異酵素トリプターゼとキマーゼの血清値は,DFでは健常児と同等だが,DHFとDSSでは有意な増加をみた.トリプターゼ,キマーゼ,VEGFの値はDHFとDSSで病態の回復に伴って正常化した.ヒトマスト細胞株を抗体存在下にデングウイルスで刺激するとVEGFの産生がみられた.マスト細胞の増殖や活性化に関与があるIL-9やIL-17もDHFとDSSで有意に高値を示した.以上のことから,デングウイルス感染による病態の重症化やマラリアではVEGFの関与があり,それはマスト細胞に由来することが示唆される.
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© 2012 日本臨床免疫学会
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