日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P2-097  関節リウマチの手指・手関節のパワードプラシグナルは臨床的評価項目から予測できるか?
小笠原 倫大根本 卓也村山 豪山田 祐介草生 真規雄今 高之関谷 文男杉本 郁松平 蘭松下 雅和多田 久里守建部 一夫山路 健田村 直人髙崎 芳成
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2012 年 35 巻 4 号 p. 375a

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抄録

  関節超音波検査(US)のパワードップラシグナル(PD)は,関節リウマチ(RA)における疾患活動性と骨関節予後判定に有用である.今回我々は,日常診療で得られる臨床情報で,PDの有無やグレード予測に有用な因子が何れかを明らかにすることを目的とした.US評価対象関節は両側の1-5MCPと手関節,滑液貯留/滑膜肥厚/PDの有無の確認と半定量でのグレード分類を行った.腫脹関節数(SJC),圧痛関節数等の日常診療評価項目をPD寄与因子候補として以下2つの解析を行った.(1)PDグレードに関連しうる因子を相関解析,多重回帰分析により選択(2)PD無に寄与する因子を多重ロジスティック解析により選択.SJCがPDスコアの程度に最も関連する因子として抽出された(PD score=1.968 +0.625*SJC, R square=0.4566, p value <0.0001).PD remissionにはSteinbrockerのステージがI/II(odds ratio [OR] 9.23, p=0.0049),手指のSJCがゼロ(OR 6.60, p=0.0039), SDAI (or CDAI) remission(OR 5.06, p=0.0450)が寄与因子として同定され,3項目を同時に満たす場合にPD remissionの陽性的中率が100%であった.PDスコアグレードはSJCで,PD remissionはSDAI/CDAI, Stage, SJCを組み合わせる事で日常診療評価項目からある程度予測が可能であると考えられた.エコー要/不要症例を適切に選択することが可能となり,有効なUS活用法の確立につながると考えられる.

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© 2012 日本臨床免疫学会
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