日本臨床免疫学会会誌
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W6-2  アトピー性皮膚炎
椛島 健治
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2013 年 36 巻 5 号 p. 347

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抄録

 アトピー性皮膚炎の発症機序は,皮膚バリア機能異常,免疫・アレルギー学的異常,そして痒みの異常,という大きく3つの側面から捉えることができる.特に,フィラグリン遺伝子変異によるバリア異常が尋常性魚鱗癬のみならずアトピー性皮膚炎や気管支喘息の原因となっていること,表皮角化細胞からのTSLPやTARCの過剰産生がアトピー性皮膚炎におけるTh2型反応を誘導していること,痒みにセマフォリンやIL-31が関与していることなどが明らかとなった.従来の研究は,これら3つの因子を別個のものと捉えがちであった.本セミナーでは,3つの側面の連関に着目しながら皮膚アレルギー発症の謎を解き明かし,これらの知見が臨床現場に役立つことを目指して講演したい.また,近年進んでいる皮膚のライブイメージング法を用いた皮膚免疫応答の動画も幾つかご紹介させて頂く.

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© 2013 日本臨床免疫学会
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