日本臨床免疫学会会誌
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ビギナーズセミナー
ビギナーズセミナー4  乾癬の免疫学的病態
藤田 英樹
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2014 年 37 巻 4 号 p. 296

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抄録
  乾癬は表皮角化細胞の増殖亢進による著明な表皮肥厚を特徴とする慢性炎症性皮膚疾患であり,炎症性角化症に分類される.表皮肥厚を特徴とするがゆえに1970年代頃までは乾癬は専ら角化細胞の面から病態研究がされており,当初免疫学的側面はあまり注目されていなかった.しかし,現在ではT細胞を中心とする細胞性免疫の異常が乾癬の病態においてきわめて重要であることが明らかになっており,治療薬の開発も免疫系をターゲットとしたものが中心となっている.かつてT細胞免疫応答はTh1/Th2パラダイムの中で議論されておいたが,病変部でのIFN-γの高発現より乾癬はTh1疾患と考えられてきた.しかし,21世紀に入りIL-17産生を特徴とするTh17と呼ばれる新しいT細胞サブセットが発見され,最新の病態理論では乾癬はT細胞応答の中でもIL-23/Th17の経路が最も重要であると考えられている.それに伴い,治療の面ではこの経路の上流から下流に位置する様々な関連サイトカインの阻害剤が競って開発され,一部は既に市場に上梓されているが,逆にそれらがどの程度効果を発揮するかということそのものが病態理論を検証し,病態の理解を深めることにつながっている.本講演では現在の乾癬の免疫学的病態がどのように明らかにされてきたかを解説する.
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© 2014 日本臨床免疫学会
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