日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
ビギナーズセミナー
ビギナーズセミナー10  全身性自己免疫疾患における自己抗体の臨床的意義とその病原性について
藤井 隆夫
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 37 巻 4 号 p. 302

詳細
抄録
  全身性自己免疫疾患において,自己抗体の測定はその診断,病態や予後の予測,疾患活動性の評価などに有用である.全身性エリテマトーデス(SLE),関節リウマチ,強皮症,シェーグレン症候群では分類基準項目に自己抗体が含まれ,その測定は必須となる.一方,clinically amyopathic dermatomyositisの急性~亜急性間質性肺炎と関連する抗melanoma differentiation-associated gene(MDA)5抗体のように,分類基準に含まれなくとも治療選択に有用な情報をもたらす抗体にも注意が必要である.
  ミエロペルオキシダーゼ(MPO)を対応抗原とする抗好中球細胞質抗体(ANCA)は,顕微鏡的多発血管炎(MPA)の疾患活動性と平行し,病因的意義が比較的明確な自己抗体である.ANCA関連腎炎では免疫複合体の沈着が局所に認められないことからサイトカインを介したANCAの病原性が示唆される.われわれは,MPA同様難治性病態であるneuropsychiatric SLE患者の脳脊髄髄液(CSF)における抗U1RNP抗体の臨床的意義を示してきた.CSF-抗U1RNP抗体の存在はCSF中のIFN-αやMCP-1の活性化と相関したため,CSF-抗U1RNP抗体(あるいはその免疫複合体)は間接的に脳障害に関与すると考えている.このように,血清あるいは病態局所の自己抗体とinflammatory mediatorとの相関がより明確となれば,症例に最適化した標的治療が選択できる可能性がある.
著者関連情報
© 2014 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top