抄録
乾癬は尋常性乾癬(psoriasis vulgaris: PsV),乾癬性紅皮症,関節症性乾癬,滴状乾癬,汎発性膿疱性乾癬(generalized pustular psoriasis: GPP),限局性膿疱性乾癬に分類される.
本講演では,疾患概念が変わりつつあるGPPとその類縁疾患に焦点をあてて免疫遺伝学的病態についての最新の知見を紹介する.
GPPは全身の膿疱の発症の前後にPsVを併発する病型としない病型がある.従来GPPは単一遺伝子の変異を病因とする疾患ではなく,孤発性の疾患と考えられていた.しかし演者らはPsVを伴わないGPPの大半はIL36RN遺伝子を病因遺伝子とする常染色体劣性遺伝性の疾患(IL-36受容体阻害因子欠損症:deficiency of interleukin-36 receptor antagonist: DITRA)であることを明らかにした.それに対して,PsVを伴うGPPはCARD14遺伝子の多型と関連することも明らかにした.CARD14遺伝子はNF-κB活性化因子であるcaspase recruitment domain type 14をコードする.以上の結果より,PsVを伴わないGPPとPsVを伴うGPPは遺伝学的に全く異なる疾患であることが判明した.さらに妊婦に発症する全身性の皮膚膿疱性疾患である疱疹状膿痂疹においてもIL36RN遺伝子変異の検出される症例が存在することや,重症薬疹の一つである急性汎発性発疹性膿疱症においてもIL36RN遺伝子変異の検出される症例が存在することも明らかにした.
IL-36とCARD14遺伝子多型はPsVの病態形成にも大いに関与していることについても紹介する.