日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P2-005  関節リウマチの骨代謝に対するトシリズマブの効果
北野 将康横山 雄一古川 哲也西岡 亜紀関口 昌弘東 直人松井 聖佐野 統
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2014 年 37 巻 4 号 p. 338a

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抄録

【目的】関節リウマチ(RA)でのトシリズマブ(TCZ)の骨破壊抑制機序を明らかにする.【方法】34名の女性RA患者を対象としTCZ加療前と12週後でのDAS28-ESR,血清中のNTx,osteocalcin,sRANKL,OPG,DKK-1,血漿中のosteopontin(OPN)に対するTCZの効果を検討した.【結果】TCZ加療12週後,DAS28-ESRは有意に低下,NTxは前値と比較し有意に低下(23.13 vs 20.30 nmolBCE/l;p=0.015),またosteocalcinは有意に上昇した(7.91 vs 9.51 ng/ml;p<0.01).DKK-1,OPNは前値と比較し有意に低下(2970 vs 2242 pg/ml;p<0.01,106.2 vs 67.9 pg/ml;p=0.013)したがsRANKLに有意差は認めなかった.OPGは寛解達成群において有意に上昇した(4.72 vs 5.19 pmol/l;p<0.01).12週後での寛解群と非寛解群の比較では寛解群においてRANKL/OPGは前値と比較し低下する傾向であった.【考察】TCZは炎症の制御からOPN,DKK-1を抑制し,さらにOPGを増加させることにより,RAでの破骨細胞活性化を介した骨吸収優位の骨代謝を是正している可能性が示唆された.

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© 2014 日本臨床免疫学会
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