日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P5-001  再発難治性多発血管炎性肉芽腫症にrituximabとcyclosporine Aで寛解導入できた1症例の検討
能勢 明徳松井 聖安部 武生荻田 千愛横山 雄一古川 哲也吉川 卓宏斎藤 篤史西岡 亜紀関口 昌弘東 直人北野 将康角田 愼一郎佐野 統
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2014 年 37 巻 4 号 p. 351a

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抄録
【症例】65歳,女性 【主訴】頭痛 【現病歴】H19年,頭痛・発熱を伴う副鼻腔炎症状が出現し,他院で鼻腔粘膜生検における炎症性肉芽腫の所見とPR3-ANCA 95EUよりGPAと診断された.predonisolone(PSL)内服と月1回のcyclophosphamide(CY)パルス療法の併用による初期治療の後,PSL10-20mg/日,CY50mg/日で維持療法を行われ,自覚症状,PR3-ANCAとも改善を認めたが,CMV再活性化を機に自己判断で加療を中断した.以後,複数の医療機関で断続的にPSL単独の加療を受けていた.H22年1月より頭痛の増悪を認め,当科を紹介受診した.本人の強い希望によりPSL12mg/日の単独で加療を開始したが,同年2月より頭痛の増強,発熱,口渇,多飲,多尿が出現した.頭部CTで下垂体および下垂体柄の腫大を認めたことよりGPAの下垂体浸潤および中枢性尿崩症を疑い入院とした.【臨床経過】下垂体生検にて肉芽腫侵潤を認め,GPAと診断し,infliximabを施行するも寛解導入できなかった.そこで,rituximab投与後,cyclosporine AをC2値1000mg/mlで維持し寛解導入を行った.その後,寛解維持している.【考察】再発難治症例においてはrituximab単独療法で寛解導入・維持が困難な症例では免疫抑制剤との組み合わせのプロトコール検討が必要である.
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© 2014 日本臨床免疫学会
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