日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P5-002  ANCA関連血管炎に対してステロイド治療を開始して一週間後に肺胞出血を起こした一例
福井 翔一辻 創介梅田 雅孝西野 文子中島 好一鈴木 貴久寶來 吉朗川尻 真也古賀 智裕岩本 直樹一瀬 邦弘平井 康子玉井 慎美中村 英樹折口 智樹川上 純
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2014 年 37 巻 4 号 p. 351b

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抄録
  症例は69歳男性.1か月続く発熱と頭部から頸部にかけての紅斑と紫斑がみられたために当院を受診した.白血球減少,血小板減少,腎機能障害,顕微鏡的血尿,浸出性中耳炎,ごく軽度の肺野の間質性陰影をみとめ,MPO-ANCAが83IU/mLと上昇していた.皮膚生検ではLeukocytoclastic vasculitisの所見がみられた.血球減少と全身状態不良のため腎生検は見送った.鼻腔と外耳道からの生検では肉芽腫の形成を認めなかった.以上の結果よりANCA関連血管炎と診断した.また,PA-Igが陽性であった.ステロイドパルスに引き続いて,プレドニゾロン40mgの後療法を行い解熱し,炎症反応も低下し,紅斑も消退した.しかし治療開始から1週間経過したところで,肺胞出血を起こし,人工呼吸器管理が必要になった.ステロイドパルスと血漿交換をそれぞれ3クールとシクロフォスファミドによる治療を行い,血管炎の病勢は落ち着いた.ANCA関連血管炎で肺胞出血を起こすことが知られており,予後は不良である.本症例では血球減少も伴っていたが,ANCA関連血管炎で好中球抗体や血小板抗体がみられることが報告されている.血球減少のために早期のシクロフォスファミド導入が躊躇われた.治療により,ほかの症状が改善している中,肺胞出血を起こした症例の報告はなく,早期のシクロフォスファミド開始の必要性を示唆する貴重な一例と考えられた.
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© 2014 日本臨床免疫学会
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