日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P8-013 急速進行性間質性肺炎で死亡したclinically amyopathic dermatomyositisの1例 血中IL-6値の変動について
池田 高治安田 葉月古川 福実
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2015 年 38 巻 4 号 p. 375a

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抄録

  【症例】67歳女性【主訴】手指・肘部紅斑【現病歴】平成27年1月5日,両手指・肘部に疼痛・鱗屑を伴う紅斑が出現し,のちに口内炎・微熱も出現して持続した.他院で抗生剤を投与されるも改善しなかった.1月26日,当科を受診し膠原病を疑われ入院した.【入院後経過】全身性エリテマトーデスが疑われ入院したが,特徴的な性質・分布を示す皮膚症状と間質性肺炎を伴い,尿中ミオグロビン・血中アルドラーゼの上昇を認めるものの筋症状のないclinically amyopathic dermatomyositisと診断した.合併しうる悪性腫瘍の全身検索を早急に行い,認めなかった2月3日よりステロイドパルス療法,シクロフォスファミドパルス療法,シクロスポリン内服投与,エンドトキシン吸着療法を施行した.画像上diffuse alveolar damage patternを示した間質性肺炎は急速に進行し,2月10日広範な皮下・縦隔気腫を生じ,2月12日死亡した.【考察】皮膚筋炎に伴う間質性肺炎と血中IL-6,IL-10,TNFα値などは相関するとされており,エンドトキシン吸着療法は敗血症性ショックでこれらの値を減少させると報告されている.間質背肺炎を伴うamyopathic dermatomyositisへのエンドトキシン吸着療法の有効性を示す報告があり,本症例にも適用したが,救命できなかった.しかし1回目のエンドトキシン吸着療法前後で血中IL-6値は減少していた.本症例での血中IL-6値などの変動を示し,若干の文献的考察を加えて報告する.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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