日本臨床免疫学会会誌
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総説
Specialized pro-resolving lipid mediator(SPM)による関節炎およびリウマチ性疾患制御の可能性
村上 孝作
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2016 年 39 巻 3 号 p. 155-163

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抄録
  n-6系多価不飽和脂肪酸に分類されるアラキドン酸(AA)が主に炎症惹起性メディエーターの基質である一方,n-3系多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)は,酵素的・非酵素的に強力な炎症収束作用を有するメディエーター(Specialized pro-resolving mediator; SPM)に変換されることが明らかとなっている.変形性関節症において,膝蓋下脂肪組織由来の脂肪細胞における脂質分画の分泌物はT細胞のIFN-γ分泌上昇やマクロファージのIL-12p40分泌低下を促進させる.また,局所滑膜組織にはSPMに対する既知の受容体が発現している.関節リウマチでは,滑液中に種々のSPMが検出されること,また関節炎モデルにおいて発症・進展を抑制することがいくつか報告されている.関節リウマチや各種リウマチ性疾患において,SPMが疾患制御の新規ターゲットになり得る可能性と課題について検討する.
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© 2016 日本臨床免疫学会
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