オレオサイエンス
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総合論文
時間治療とパルス薬物放出製剤
中嶋 武尚牧野 公子
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2001 年 1 巻 7 号 p. 765-772,723

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抄録
生体内にはサーカディアンリズムが存在し, 薬物動態に影響を与えるような多くの因子が一日の中で変動することが知られている。例えば, 血流速度, 血圧, 血中のホルモン濃度などは一日の中で時間に依って異なる。50年間, 薬物投与時間と治療効果の関係が時間薬理学の領域で研究されてきた。その拮果, ある種の薬に関しては, 薬物の血中濃度が一定であることよりも, ある時間に投与することが有効であることが明らかになった。このような薬物に対しては, 新しい薬物放出システムであるパルス薬物放出製剤が有用である。本稿では, S字型薬物放出システム, 時間制御型崩壊システム, PULSINCAP, OROS時間遅れ薬物放出システム等のパルス薬物放出製剤を招介する。また, 錠剤成形の新技術として, 3次元プリントを招介する。
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© 2001 公益社団法人 日本油化学会
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