日本臨床免疫学会会誌
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スイーツセミナー
スイーツセミナー3-1 免疫原性を考慮したRA治療
鈴木 勝也
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2016 年 39 巻 4 号 p. 369

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抄録

  免疫系は自己と非自己のタンパク質の立体構造のわずかな違いを認識できることが知られており,RA治療に用いられる生物学的製剤のタンパク質成分に対しても特異的な免疫応答が惹起され,しばしば臨床上問題となる.抗製剤抗体の発現には,製剤側の要因に加え,患者および疾患特性,併用薬,投与経路などの要因が複雑に関与している.抗製剤抗体のRA治療への影響については,1)有効性の低下(薬剤の効果減弱・消失,継続率の低下),2)治療効果維持のために薬剤の増量,免疫抑制薬の併用が必要となる例があること,3)有害事象の増加(投与時反応)などが知られており,依然として重要な課題である.有効性の低下の機序としては,1)中和抗体(抗製剤抗体が治療薬を中和し,標的分子への治療薬の結合を阻害)あるいは2)免疫複合体(製剤と抗製剤抗体が免疫複合体を形成し,免疫複合体が循環血液中から除去され治療薬の半減期が短縮)によることが想定されている.抗製剤抗体が臨床反応に及ぼす影響は治療薬によって異なり,その製剤選択にあたっては免疫原性も考慮する必要がある.

  本セミナーでは,免疫原性の概念およびその分子機序,抗製剤抗体に関する国内外の報告および自験例の解析結果を紹介し,免疫原性の観点からみたRA治療について考察する.

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© 2016 日本臨床免疫学会
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