2016 年 39 巻 4 号 p. 375a
【背景・目的】RAでは線維芽細胞様滑膜細胞(FLS)は骨・軟骨破壊の重要な役割を担う.RA由来FLSは疾患特有なDNAメチル化プロファイルを有し攻撃的表現型と関連することが示唆されている.今回,能動的DNA脱メチル化酵素Tetの関節滑膜での役割をin vitro及びin vivoで評価した.【方法】関節手術で得た患者由来滑膜でTetの発現をqPCR,WB,免疫染色で,5hmC発現をDot blotで評価した.siRNAを用いTetノックダウン後,TNF刺激により,各種メディエーター分泌,表面抗原発現等を評価した.K/BxN血清惹起関節炎モデルマウスを用い,Tet3遺伝子改変の有無で,関節炎や組織像を比較評価した.【結果】FLSではTNF,IL-1,IL-17等の刺激により,Tet3のmRNA,蛋白発現,及び5hmC発現が促進された.Tet3をノックダウンしたFLSではTNF依存性のCCL2産生,ICAM-1発現,浸潤能が阻害された.K/BxN関節炎モデルでの検討では,野生型マウスに認められた顕著な骨破壊,軟骨破壊,滑膜炎症が,Tet3−/+マウスでは有意に抑制された.【考察】RA滑膜におけるTNF等の持続的な炎症性サイトカイン曝露は,FLSにTet3依存性に炎症記憶を付与することで,高い組織浸潤性や破骨細胞誘導等を有する攻撃的表現型を不可逆的に齎すことが示唆された.