2016 年 39 巻 4 号 p. 379a
【目的】SLE病態におけるNeutrophil extracellular traps(NETs)の重要性が知られている.PAD4はクロマチンの脱凝集に関与しNET産生に必須である.PAD阻害によるSLE治療効果の検討の為,Imiquimod(IMQ)誘発ループスモデルマウスを用いて検討した.【方法】8週齢Balb/c雌の耳朶にIMQクリームの隔日塗布を行い,同時にPBSまたはPAD阻害薬であるCl-amidineを連日腹腔内投与した.治療4,8週後に,蛋白尿,抗Ds-DNA抗体価,脾細胞Plasmacytoid dendritic cell(pDC)/Follicular B helper T cell(Tfh)/Plasmablast(PB)割合,骨髄Type I IFN signatureを評価した.【結果】IMQ塗布群では無治療群と比較し,蛋白尿増加,抗Ds-DNA抗体価上昇,脾細胞pDC減少,Tfh/PB増加,骨髄細胞Type I IFN signature亢進を認めた.IMQ塗布4週後,Cl-amidine投与群では,有意に蛋白尿減少,脾細胞pDC増加,PB減少,骨髄Type I IFN signature低下(OAS1a)を認めた.【結語】IMQ誘発ループスモデルマウスにおいてPAD阻害によるループス様病態の改善を認めた.NETの関与についての更なる検討を要する.