2016 年 39 巻 4 号 p. 397b
【背景】全身性エリテマトーデス(SLE)の病態では樹状細胞(DC)による炎症性サイトカイン産生,自己抗原提示が重要な役割を果たしている.TLR7, STAT4, IRF5, HLAなどDCに関連する遺伝子群がSLEのリスク遺伝子として同定されていることもこれを支持する.SLEの遺伝的背景がDCの分化・機能,およびSLE病態に与える影響を解明するため,疾患特異的iPS細胞は有効な手法と考えられる.【方法】姉妹SLE患者2人の末梢血幹細胞よりiPS細胞を樹立した.SLE-iPS細胞2株およびhealthy-iPS細胞1株を10T1/2細胞,GM-CSF,IL-4などを用い27日間培養し,単球系細胞へと分化させた.またSLE患者2人及び健常人末梢血由来のMonocyte-derived DC(MoDC)を分化培養した.これらの細胞の表現型,遺伝子発現をFACS, NGSを用いて解析した.【結果】iPS樹立過程においてSLE-iPSとhealthy-iPS細胞に,効率および特性において差を認めなかった.iPS由来DCはCD14陽性, CD80, CD86及びHLA-DR強陽性を示した.iPS-CD14+DCの遺伝子発現はヒトCD14+DCとの類似を認めた.【結論】CD14+DCはヒトの皮膚,炎症組織に存在し組織の炎症に関与している.iPS-CD14+DCは,SLE病態に関与するDCの研究,病態解明,新規薬剤スクリーニングに有用なツールとなりうると考えた.