2016 年 39 巻 4 号 p. 403b
症例は12歳の女児,正期産で周産期の異常は無かった.出生後より咳嗽が目立ち,月齢2か月に当科入院した,咳き込み嘔吐があり,体重増加不良を伴ったため月齢3か月より3歳まで鼻汁栄養を併用した.月齢6か月時,近隣のこども病院にて気管支ファイバー検査を施行,気管支軟化症と診断,また同院にて周期性嘔吐症と診断した.咳嗽に対しては吸入ステロイドなどを使用するも改善が乏しく5歳時 体重14.4kg(−1.3SD)と体重増加不良が認められた.この時撮像した胸部CT検査で慢性気管支炎,気管支拡張症と診断されている.10歳時に,周期性嘔吐の診断にて当院入院した.胸部CT検査をおこない,慢性気管支炎・気管支拡張症の憎悪を認め,副鼻腔CT検査では非常に重篤な副鼻腔炎が認められ,線毛機能不全を疑った.呼吸機能検査では混合性障害を呈し,睡眠時無呼吸検査では軽度低酸素血症を認めた.呼気一酸化窒素低値であり,原発性線毛機能不全症候群を疑い鼻粘膜生検,絨毛検査を施行した.去痰剤・マクロライド少量投与にて加療をおこなった.12歳現在 30.3kg(−0.3SD)と体重の改善を認めている,嘔吐は無くなり,生まれて初めて匂いが分かるようになったと実感している.免疫疾患に関する診療体制は充実してきているが,発見されていない患者さんは存在する.診断の過程に関して反省を込めて発表をおこなう.