日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P2-02 癌幹細胞抗原DNAJB8を標的とする人工抗体開発
只野 裕己塚原 智英守田 玲奈水島 衣美芝山 雄二廣橋 良彦鳥越 俊彦
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2016 年 39 巻 4 号 p. 404b

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抄録

  癌幹細胞は自己複製能,多分化能,そして高い造腫瘍能をもつ細胞集団で,化学療法や放射線治療に抵抗を示す.それゆえ癌幹細胞を標的とする治療法の開発は重要である.これまでに我々は癌幹細胞抗原DNAJB8を同定し報告してきた.DNAJB8は腎細胞癌の癌幹細胞に高発現し,正常組織では精巣のみに発現する癌精巣抗原であり,癌幹細胞標的抗原として理想的である.そしてHLA-A24拘束性CTLエピトープDNAJB8-143ペプチドを同定し,ペプチド特異的CTLが癌幹細胞を高く傷害することを示した.今回我々は癌幹細胞に対する抗体治療開発を目指して,HLA-A24/DNAJB8-143ペプチド複合体特異的人工抗体の作成を試みたので報告する.ヒト健常人末梢血と切除扁桃よりRNAを抽出してヒトナイーブドナー由来scFvファージディスプレイライブラリを構築した.そしてHLA-A24/DNAJB8-143複合体を抗原としたバイオパニングを行い,HLA-A24/DNAJB8-143複合体特異的scFvクローンを分離した.続いてscFvにヒトIgG1定常領域をつなげた二価の人工抗体(scFv-hIgG1)を作成し,ペプチドに対する反応性をFACS解析で検討した.scFv-hIgG1はDNAJB8-143ペプチドを認識した.本抗体は細胞表面におけるHLA-A24/DNAJB8-143ペプチドの検出,DNAJB8を標的とした癌幹細胞の制御に有用かもしれない.

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© 2016 日本臨床免疫学会
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