日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P2-50 エピルビシンのFoxp3阻害を介した制御性T細胞抑制作用
村岡 大輔加島 宗百瀬 文康三好 奈央小郷 尚久原田 直純珠玖 洋浅井 章良
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2016 年 39 巻 4 号 p. 428b

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抄録

  Tregの分化および機能はFoxp3(forkhead box P3)に制御されており,Foxp3を阻害する薬剤は,Tregが誘導する免疫抑制状態を解除し抗腫瘍免疫応答の活性化を導くと期待されている.我々は,Foxp3阻害剤の探索を行うべく,HEK293細胞にNF-κB依存的レポーターベクターとFoxp3遺伝子ベクターを導入した安定発現細胞株を作製し,化合物スクリーニングを実施した.その結果,アントラサイクリン系の抗ガン剤エピルビシンが,細胞生存率に影響することなく,レポーター活性を上昇することを明らかにした.次に,エピルビシン処理がTregの免疫抑制機能に影響を及ぼすかをマウスin vitro系およびin vivo系にて検討した.その結果,エピルビシンがTregの細胞増殖抑制機能を濃度依存的に減弱させること,および担がんマウスにおいて腫瘍局所のTregのIFN-γ産生を増加させることが明らかになった.さらに我々は,エピルビシンによるFoxp3阻害機構として,エピルビシンがFoxp3とp65の相互作用を物理的に阻害していることを明らかにした.以上より,エピルビシンはFoxp3とp65の物理的な相互作用を妨げることでFoxp3の機能を阻害し,Tregによる免疫抑制環境を解除することが期待される.

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© 2016 日本臨床免疫学会
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