2016 年 39 巻 4 号 p. 431
症例は62歳男性,2013年に下咽頭癌(扁平上皮癌:T1N0M0)に対して放射線化学療法を施行後,2014年2月の18FDG-PETでは明らかな再発や他病変の指摘はなかった.2014年6月頃から左前腕の腫張・疼痛があり,徐々に進行し,8月に前医を受診したが採血上は炎症所見乏しかった.手関節が屈曲位で拘縮傾向となり10月に当科紹介となった.四肢骨格筋の腫脹と硬結があり,縦隔・肺門部リンパ節の腫大を認めた.血清ACE,リゾチーム高値,ツ反陰性であり,18FDG-PETで四肢骨格筋と縦隔・肺門部リンパ節に集積を認め,サルコイドーシス疑いで入院となり,超音波ガイド下で筋生検を行った.多核巨細胞を伴う類上皮肉芽腫を認め,筋サルコイドーシスの診断となりPSL 40mg/dayで治療開始し,寛解となった.2015年11月に下咽頭癌の再発と早期食道癌の出現があり,手術療法が選択され,咽頭癌は断端陽性のため術後TS-1導入となった.悪性腫瘍合併のためステロイド単剤で加療し,漸減中止も検討していたが,怠薬に伴い再燃を経験した.悪性腫瘍合併のサルコイドーシスの報告は少数ながら散見され,また,悪性腫瘍に随伴したサルコイド反応と呼ばれる病態の報告もある.本症例に関して,若干の文献的考察を加え報告する.