日本臨床免疫学会会誌
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シンポジウム Human Immunology 解析から治療へ
S-3 自己免疫疾患におけるケモカイン発現とその阻害療法の展開
南木 敏宏
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2017 年 40 巻 4 号 p. 262a

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抄録

  ケモカインは細胞遊走を誘導するサイトカイン様の分子であり,自己免疫疾患においては,病変局所への細胞遊走を誘導することにより病態形成に関与すると考えられる.ケモカインには血管新生,細胞刺激によるサイトカイン産生,細胞増殖,破骨細胞誘導等の作用もある.そのため,病変部位でのケモカイン発現の解析が広く行われ,ケモカイン阻害による新規治療薬開発が進められている.

  関節リウマチ(RA)においては,滑膜組織において多数のケモカイン産生が報告され,また関節炎のモデル動物において,いくつかケモカイン阻害薬による関節炎抑制効果が認められている.RAに対するケモカイン阻害薬による臨床試験も行われており,C-C chemokine receptor type 1に対する経口の阻害薬や,抗C-X-C motif chemokine 10抗体による関節炎抑制効果が示された.さらに,C-X3-C motif chemokine 1(fractalkine)に対する抗体製剤は本邦で開発され,第I/II相臨床試験で忍容性と関節炎抑制効果が示唆され,現在第II相臨床試験が施行されている.

  また,全身性エリテマトーデス,炎症性筋疾患,強皮症においてもケモカイン発現が解析され,モデル動物においてケモカイン阻害による疾患抑制効果が報告されている.

このように,自己免疫疾患に対するケモカイン阻害薬による臨床応用開発が進められており,将来の新規治療薬となることが期待される.

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