日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
一般演題(ポスター) 1 膠原病の診断1
P1-1 好酸球性腸炎が疑われた全身性エリテマトーデスの1例
坪内 康則礒田 有平野 愛子
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 40 巻 4 号 p. 298a

詳細
抄録

【症例】19歳女性.2014年9月,嘔気・腹痛で近医を受診され対症療法にて症状軽快.以後,嘔気・腹痛・下痢などの腹部症状が断続的に出現,自然軽快を繰り返した.10月腹部CT検査にて腹水と小腸浮腫を認め,血液検査で好酸球増多を指摘されたため当院紹介入院.腹部エコーで小腸壁肥厚,腹水の増加を認めた.好酸球増多,IgE高値から好酸球性腸炎が疑われたが,大腸内視鏡検査で明らかな病変なく,ランダム生検から好酸球浸潤は認められなかった.補体低下・抗核抗体高値・尿蛋白陽性・汎血球減少・梅毒反応擬陽性などが明らかになり,無菌性膀胱炎も出現したため,ループス腹膜炎・腸炎・膀胱炎・腎炎を伴う全身性エリトマトーデス(SLE)と診断した.プレドニゾロン50 mg/日内服を開始したところ腹部症状は改善し小腸壁肥厚や腹水は消失した.尿蛋白は徐々に減少し消失した.その他,血球減少,補体低下,自己抗体高値などの異常所見も改善した.プレドニゾロン25 mg/日まで漸減し退院.【考察】好酸球増多を呈する原因は様々であるが膠原病もその一つであり全身性エリテマトーデスでも見られることがある.ループス腹膜炎が全身性エリテマトーデスの主症状になるケースは少ないが,本症例は断続的な腹部症状が唯一の自覚症状であった.皮疹,関節痛,神経症状などを認めない症例でも,全身性エリテマトーデスの可能性を考える必要がある.

著者関連情報
© 2017 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top