2017 年 40 巻 4 号 p. 298c
【背景】多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)の診断に本邦では開放筋生検を行うが,疼痛を伴い検査後数日の免荷を要する.北欧では,より低侵襲のコンコトーム筋生検が普及している.採取可能な部位は限られるが,前脛骨筋がより簡便である.我々は本邦初のコンコトーム筋生検を導入した.【症例】49歳男性.健診にてCK高値を指摘され,徐々に下肢倦怠感が出現した.手指関節伸側にGottron徴候,徒手筋力試験で頸部屈筋,腸腰筋,大腿四頭筋は9/10と低下,CK 1,991 U/L,筋電図で大腿二頭筋に安静時自発電位,MRIで大腿伸筋群と腓腹筋にSTIR高信号を認めた.前脛骨筋に筋力低下やMRI異常信号はなかったが,既報で有用性が示されたコンコトーム筋生検を同筋に施行した.約1 cmの皮膚切開から3 mm大の筋塊を4個採取し合併症なく終了した.検査後安静は30分で,患者VASは0 mmであった.単核球浸潤を伴う筋壊死・再生を認め,総合的に皮膚筋炎と診断した.他に前脛骨筋に臨床所見の乏しい患者4例で同生検を施行し,全例でPM/DMを支持する所見を得た.【考察】前脛骨筋へのコンコトーム筋生検の有用性を示したPM/DM 5例を経験した.生検部位は必ずしも臨床所見を必要とせず,開放筋生検より少量の検体でも診断的に有用であることを示唆した.低侵襲で早期のリハビリテーション開始にも有利であり,有用な検査法として期待された.