日本臨床免疫学会会誌
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SLEによる肺胞出血の3例
高林 克日己小池 隆夫松村 竜太郎冨岡 玖夫吉田 尚
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1987 年 10 巻 3 号 p. 318-329

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抄録
全身性エリテマトーデス(SLE)の肺胞出血は稀ながら重篤な合併症である.病勢が急速に進行するにもかかわらず,血痰などの自覚症状に乏しいため診断が容易でなく,かつ治療に抵抗性であるために,予後は著しく不良である.本邦で今までに報告された2例はいずれも剖検例である.我々は最近3例のSLEの肺胞出血を経験したが,うち2例に気管支鏡を施行し,気管支肺胞洗浄と経気管支肺生検から肺胞出血と診断した.さらにこの2例は集中呼吸管理とパルス療法などを行ない,肺胞出血に関しては改善することができた.本症の予後は不良であるが,気管支鏡による早期診断と呼気終末陽圧法(PEEP)を含めた集中呼吸管理が,ステロイド療法とともに重要であると考えられた.
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