日本臨床免疫学会会誌
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著明な血小板減少を呈したFelty症候群の1例
小池 道明石山 泰二郎雨宮 謙阿部 総太郎堀江 誠一菅谷 直樹杉本 正邦若林 芳久廣瀬 俊一
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1988 年 11 巻 2 号 p. 196-202

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抄録
1985年12月, 16年間の慢性関節リウマチの病歴を持つ32歳の女性が,当病院に入院し,慢性関節リウマチ,脾腫,白血球減少の症状より, Felty症候群と診断された.
この患者は,抗DNA抗体陽性,抗核抗体陽性で,顔面紅斑,血小板減少,多関節炎が認められ,全身性エリテマトーデスの診断基準を満たしていた.このことから, Felty症候群は,慢性関節リウマチと全身性エリテマトーデスの中間的疾病と考えられた.
Felty症候群は,日本では非常にまれであり, 1972年よりわずか30例しか報告されていない.この症例は,著明な血小板減少を特徴としていたが,上記30例のうち血小板減少を呈していたものは55%であった. 1982年に, Thorneは,血小板減少を, Felty症候群の第4の診断基準と仮定した.血小板減少は,絶対的な診断基準にならないが,比較的頻度が高いことから,そのメカニズムを解明していくことは価値があることである.
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