抄録
肺病変に合併したAL型およびnon-AA型肺アミロイド症22例とSLEに合併したAA型肺アミロイド症2例について臨床的ならびに免疫組織学的に検討した,なお,これらはいずれも骨髄腫を合併していない.検索した24例についてみると,限局型よりむしろ全身性アミロイド症が多数(75%)を占めていた.さらに血清あるいは尿中にM蛋白が証明されたAL型とAL型を示唆しながら, M蛋白の証明されないnon-AA型が大多数を占めていたことも注目される.珪肺,気管支拡張症,肺癌などの慢性肺疾患を随伴しながら,予想に反してAL型アミロイド症が主であったことは従来の見解と大いに異なるところである.この点の説明として.慢性疾患による免疫組織の刺激の下に抗体産生細胞の多クローン性反応から単クローン性反応へ進展する過程でAL型, non-AA型が生ずる一方,この過程にむしろ炎症反応がより関与すればAA型をもたらすのではないかと推測される.