間質性肺疾患,とくにサルコイドーシス(サ症)における肺胞マクロファージ(AMφ)および末梢血単球機能について検討した.サ症患者では骨髄,末梢血ともに単球絶対数が増加しており,貪食能,走化能は低下が,ライソゾーム酵素活性,スーパーオキサイド産性能,血清アンギオテンシン変換酵素活性(ACE),血清リゾチーム活性は亢進が認められた.腫瘍細胞障害性, Interleukin-1 (IL-1)産生能については健常者と差がなかった.一方,サ症AMφでは,走化能,貪食能, BALF中ACE活性, Fibro-nectin量の亢進および増加が認められ,逆にライソゾーム酵素活性は低下していた.表面マーカーではCD 15(+)細胞の増加が認められた. Propionibacterium acnes刺激によるIL-1産生は亢進していた.サ症においては末梢血単球は骨髄より動員され,さらにAMφとなり,これら細胞は種々のサイトカインにより活性化され,肺において肉芽腫を形成していると老えられた.
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