日本臨床免疫学会会誌
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補体の動きを観察しえた特発性間質性肺炎の1例
笠松 美宏竹村 周平楢原 梨佐柳田 国雄福田 亙岡本 雅之小野寺 秀記上田 正博出口 雅子杉野 成近藤 元治岸本 光夫細川 洋平芦原 司
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1990 年 13 巻 6 号 p. 622-629

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抄録
症例は67歳女性.呼吸困難,乾性咳,発熱にて入院した.現病歴,胸部X線写真, CTなどより特発性間質性肺炎と診断した.抗生物質,ステロイドの投与にていったん症状の改善を認めたが,入院中再び呼吸困難が増悪し,ステロイドの増量にもかかわらず呼吸不全にて死亡した.剖検では肺炎所見を認めず,死因は急速に進行した肺線維化による呼吸不全と右心不全によるものと考えられた.経過中,補体分解産物iC3, Bb, c4dおよびC3a, C5aを経時的に測定できた.剖検所見と補体の動きからその病態に補体の活性化がかかわっていたことが示唆された.
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